勉強会の趣旨
災害後の被災地においては、被災前からの様々な課題が浮き彫りになるが、被災を受けたことにより、その課題に拍車がかかり、支援のあり方も従来とは異なる場面に遭遇する。熊本地震においては仮設住宅等の退去者等が、新たな地域でのコミュニティ形成に困難を極め、孤立感を感じているものの、コロナ禍の影響もあり 交流会等の開催も自粛され、継続的な福祉支援に繋げることも困難になっている状況にある。
本勉強会は被災者支援に携わった支援団体より、孤独・孤立化している被災者の事例を共有し、事例から学ぶとともに、今後の地域活動の取り組み方針の検討の一助としたい。
スピーカー団体
●一般社団法人minori
●特定非営利活動法人でんでん虫の会
課題と現状
■孤立、孤独感を感じている方は、こころとからだの健康リスクが高いという調査結果が報告されている。実際に接している立場として、どのような健康リスクがあったか?▷隠れた不安なども相談する機会がなく、先延ばしにしがち。早めに介入する関係性をつくることが必要。
■令和2年7月豪雨も含め、地域を離れ、仮住まいした被災者が仮住まい先で恒久的に住むことになる人も多い。地域に溶け込めないことも孤独化の一つの要因だと思うが、地域に参加できない理由としては何があるか?
▷知り合いがおらず、入口がない。
▷そもそも孤立しやすい特性を持っている方もおり、新しい環境ではますますつながりにくい。被災前から町内会等でも打ち解けにくい状況がある中で、災害により物理的につながりが完全に断たれる。職場も失い孤立につながる例もある。
■孤立されている方は行政の支援や生活保護の制度についても知っていると思うが、行政から支援をお願いされるパターンもあるだろうか?
▷課題が行政担当課をまたがったりすると相談があるパターンはある。
▷行政は窓口も手一杯、公平性を基にやらなければならないため、できないことは当然ある。民間ができる部分とは連携してやっていく必要があると感じている。
■社会資源(制度等)につなぐにあたっての課題。地域に溶け込めない 理由は?
▷溶け込めない理由は、まず入口がない。
▷地域リーダーに話し、一緒に考え、見守ることができるとよい。 つながる方法を分かち合い、不安を軽減できるとよい。
■社協との連携。民間活動の資金面、どのような連携で動いているのか?
▷社協と補完しあって動く必要がある。
▷どのようなケースに対応しているかが広く伝わると、 NPO 等の大切さが行政や社協にわかってもらえ、現状の制度では、うまく回っていくのではないか。
■コロナ禍で孤立・孤独化した人が増加していると考える。社協への生活困窮の相談も非常に増えている。コロナの影響はあるか?
▷車中泊を繰り返しながら、日雇いの仕事に 通っている方もいる。生活保護受給している方は他に行くところがなく、孤立が進む。
▷在宅ワーク等が増え、家庭内の状況が悪化し、引きこもりの人等が家を飛び出して県を越えて来る等、コロナ禍で不協和音が強化されている。
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火の国会議(令和2年7月豪雨)+Web
毎週火曜日 18:00~
「火の国会議+Web」では、各支援団体の活動状況、各地の被災状況、日々変化する被災地ニーズ、支援物資、助成金情報等の様々な情報共有の場となっております。熊本地震から続いている火の国会議には現在も多種多様な支援団体が参加しており、連携による効果的な支援が構築されています。
新型コロナウイルス感染症対策として、Webでの参加も可能となっております。下記アドレスに参加希望の旨をメールいただくと参加用URLを返信いたします。
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